

第21回 名古屋テレビネクスト番組審議会 議事録
開催日:2025年3月17日(月)11:00~12:00
出席委員:
瀧一郎様(委員長)
伊部裕之様、カツヲ様、茅原良平様、瀧一郎様、野嶋慎一郎様、福島宏之様、益田祐美子様(50音順)
事業者:金森和生、髙木豪将、中嶋由郎、吉田晃浩、高岩絵里香
審議内容
第1部/事業の状況、番組編成について
第2部/番組審議会概要
(1)エンタメ~テレ☆シネドラバラエティ
『妖怪とあそぶ#1』
(事業者:番組プロデューサー)~番組の企画概要を説明~
ホラー・オカルトを柱の一つとして放送している中で、プラスのイメージを持つ「妖怪」をテーマに、番組を制作した。
(審議委員)
新感覚のバラエティーで、民俗学とも繋がるカルチャー的な要素の強い良い番組だった。
民俗学者の柳田國男氏は、妖怪というのは“信仰が失われて落ちぶれた神々の姿”と定義しているが、番組からそういった面や、遊びも盛り込まれおり、これまでの番組のテイストと少し違う。出演者達からも、妖怪をひたすら愛しんでいる気持ちが伝わってきた。撮影されている場所も非常に雰囲気も良く、良い番組に仕上がっているという印象を持った。
(審議委員)
民族学や妖怪的なものが元々好きだったので楽しく見ることができた。
妖怪というものは形が曖昧で、人によりイメージが違ったりすると思うので、決めつけずに話の中で膨らんでいく、飲み屋で話しているぐらいの展開となっており、良い意味で入りやすい番組だなと感じた。有名な妖怪から、月から地球を覗き込んで、見られている人たちの寿命を短くするという不思議な妖怪まで、よくわからない設定も面白い。妖怪が好きな人は漫画やコンテンツそのものが好きな人が多いと思うので、それらをイラストなどで補足しながら、一般の視聴者が入りやすい形になっていたのも魅力的だった。
(審議委員)
出演者たちの妖怪愛、あふれ出る熱量が伝わってきた。考え方によっては妖怪はビックコンテンツとなるポテンシャルを秘めていると思う。世界に通用するクールジャパンの一つかもしれない。
京都の大江にある、鬼の博物館に行ったことがあるが、土地に根付いた地域の妖怪を取り上げることでコンテンツがさらに面白くなりそう。
一方で、番組の作りとして少し内輪があるので、あえて素人をキャスティングして一般の目線を持ちやすくする工夫もありかも。また、妖怪の強さを競い合うコーナーは着地点がいまいちわからなかったので、例えば、「友達にしたい妖怪」のように、親近感が沸くテーマを取り入れても良いと思う。
(審議委員)
子供の頃に見ていた妖怪物のアニメを思い出し懐かしく感じた。妖怪のバラエティー番組は自分が知る限り、あまり見たことがないが、妖怪の“怖い”、“おどろおどろしい”イメージもなくとても明るく楽しく紹介されており、番組のトーンも軽めで非常に楽しく見ることができた。
地方に行くと同じ妖怪が違う名で知られていることがあるので、そのあたりの詳細を解きほぐして番組で紹介していっても面白そう。
(審議委員)
日本では民俗学者の柳田國男さんや漫画家の水木しげるさん等が昔から妖怪を面白おかしく紹介してくれていた。これを機に調べてみると、とんでもない数の妖怪がいて、今後番組でも紹介されると思われるので楽しみ。1点気になったのは、25分の尺で8つ妖怪を紹介されたが、消化不良のような感じになった。どの時代のどの地方のどんな妖怪なのか、どんな背景で出てきた妖怪なのか?をもっと紹介してもらえると、より興味を引くと感じた。
(審議委員)
わかりやすく、コンパクトにまとまった良い番組だなと思った。「妖怪とあそぶ」というひらがなのタイトルや、ロゴも含めてとても親しみを感じる。出演者達もとても個性的かつ専門的な方ばかりなので、見る側の知識が増えた点も面白かった。コスプレをテーマにしたイベントもできそうだし、書店や図書館等で子供向けのイベント等の展開もできそう。
(審議委員)
伝えたいことは3点。
(1)テレビ番組なので、画面に耐えるための美術は大事。出演者達や、スタジオの美術が見ていて飽きない。今までにない非常に良い演出だと思う。
(2)番組で取り扱った妖怪を何か商品化して販売などもできそう。
(3)地域との密着性。地域の妖怪を地域ごとに追っていくのもあり。海外の映像関係者に該当番組を見せたところ、相当うけた。海外にも需要がありそう。
(2)ダンスチャンネル by エンタメ~テレ
『7ORDER バトルの時間です!!#1』
(事業者:番組プロデューサー)~番組の企画概要を説明~
弊社で毎年開催している『高校生ダンスバトル選手権』というイベントが今年で9年目を迎え、更なる盛り上げのために今回初めてアンバサダーとして『7ORDER』を起用した。そして連動番組として、出場者や来場者を増やすために今回の番組が立ち上がった。
ダンスバトルはまだハードルが高いイメージがあるが、実は誰でも気軽に楽しめる、自由に踊るって楽しいんだ!ということを、番組を通して参加する高校生らや視聴者にも伝えるために番組を制作した。
(審議委員)
ダンスに馴染みがあまりない世代にとって、学校でダンスの授業があったり、高校生のダンスサークル等のイメージが付きづらかったが、番組を見て、少し大人しめな子たちがダンスバトルが始まりだすとキラキラ光っていく、変わり目の瞬間のようなものがあり、とても楽しめた。
お題カードに書かれた、“テーマに沿って踊る”というのもユニークだが、それぞれのテーマに沿ってどんな意見を交わし合って完成させていったのか、もう少し見せてもらえると番組の面白さがもっと伝わったと思う。また、ダンスミュージックに明るくなくても、今回は聞き慣れているPOPミュージックが使われていたのもあり、親しみやすかった。
(審議委員)
ゴリゴリのダンス番組というよりは、ダンス技術にそこまで差がない高校生たちが楽しみながらダンスバトルを作り上げるような番審で、7ORDERの年齢も高校生に近いものあり、青春番組のようで面白かった。喋るとモジモジしてしまうような子も多かったが、ダンスになると自分を表現しに出ていく姿も、高校生のリアルを見ることができて良かった。高校生側の、もっとこうしたいとか意見のようなものが見えてくると、なお良い。また、曖昧になりがちなジャッジの判断理由を、審査員がしっかり分かりやすくコメントしているのも良い。
(審議委員)
これまで対象番組として視聴してきた大会モノのダンス番組と比較すると、視聴者としても気を張らず楽しんで見ることができるダンス番組になっていた。大学の学園祭などを見ても、若い人たちにダンスがいかに浸透しているかを身近で感じている。
7ORDERという若いアーティストと、高校生たちがダンスで交流して、一緒に楽しみながらダンスバトルをするというのも非常に健康的。タイトルは、“バトル”というより、自分も参加してみたいなと思えるようなもう少しキャッチーなものでもいいかもしれない。
(審議委員)
決められたお題に対して、すぐに考えて踊らなくてはいけない状況に高校生たちが対応していることに感心した。テーマに合わせて踊る部分の練習シーンをもう少し見たかった。
審査委員がジャッジを下した理由も曖昧ではなく合理的。若者の間でも活気のあるスポーツを番組で取り上げていくのは良いと思った。
(審議委員)
高校生の中でも非常にレベルの高いダンスだろうと感じた。
ダンスバトルの評価の仕方は素人にはいまいちわからないため、ジャッジの理由がより具体的であるとわかりやすい。また、お題が出た後、準備にどのぐらい時間を要し、どんなディスカッションがなされてきたのか、過程も見てみたい。
(審議委員)
プロセスは見てみたいが、24分間の尺で凝縮して編集した苦労を感じたし、カメラワークも違和感なく、リラックスして気負いなく見ることができた。
高校生ならではのわちゃわちゃ感というか、明るさ、集うことの喜び。その一方で、競いだすと大人しそうだった子の目つきが変わり突然激しく踊り始めたりという変化もあり、見ていて面白かった。
チームワークが大事だというエッセンスも入り、若いっていいなと思わせられる番組だった。
半年後の番組審議員会の際に、この番組がこの後どうなったかも知りたい。
(審議委員)
ポイント3点。
(1)映画関係者との会食中に出た話だが、これから伸びるコンテンツはイベントとの合体型でないと利益を出しにくいと。バトルもイベント化して収益に繋げられると良い。
(2)地上波で1on1のダンスバトルは放送されていて、見ている若者も多い。1on1だと一人にフィーチャーして追いかけられるが、3人だと誰に注目していいかわからなくなる。
衣装を統一するとか、わかりやすくなる工夫でもあれば良い。衣装を協賛してくれるところをみつけるのもあり。
(3)優勝すると賞金や商品がもらえるとか、7ORDERと写真を撮れるとか、なんでも良いので楽しみが隠されていても面白いかもしれない。
色んなアイデアがでてこれから育てていける番組になると思う。
以上